blog

吉夢通信

吉夢通信

神無月によせて・・・。

2019年10月26日
posted by 吉夢 女将

小諸なる 古城のほとり 

雲白く 遊子悲しむ・・・。 (千曲川旅情 島崎 藤村)

 

信州を潤し、藤村が愛した清らかな流れの千曲川、

太古より人々の暮らしとともにあり、生活を支え、

その恩恵は計り知れないという。

信州のイメージに大きくかかわるリンゴの生産地として、

養蚕の衰退によって空洞化した地域産業を盛り返し、

河川敷に広がる広大な果樹園は、

肥沃な大地あっての産物といえますが、

水量豊かな川ゆえに洪水がもたらす被害も甚大なものとなり、

流域の人々は、千曲川に助けられ、また時には戦いながら、

今日に至ったと、今回この事があり、初めて知らされました。

台風の影響を大きく受け、その川が、

濁流の川となり、現在、ご存じのように、周辺の被害は甚大なものとなっております。

 

その様な中、10月は、即位礼正殿の儀の他、

天皇、皇后両陛下の即位に関わる沢山の行事が行われ、

国民にとりましては、国母になられた皇后雅子さまが、

長い闘病を微塵も感じさせず、激務をこなされているご様子を見て、

何より安堵を感じましたのは、私だけでは無いと存じます。

 

そして、ラグビーワールドカップ2019日本大会、

惜しくも日本は敗れましたが、沢山の感動を貰い、

世界のスーパープレーを、

まだ何度か見られると思うと、胸がワクワク致します。

今まで全く知らなかったラグビーのルールが、

だいぶ判るようになり、にわかファンの私も楽しみが増しました。

何の防具もつけず、体当たりでぶつかり合う、

ラグビーでは、激しくぶつかり合う試合中に、

ついカッとなって相手を殴ってしまうこともあるが、

殴り返した方がより悪いと判断されてしまうというところからも、

日々の練習の時から、カッとならない、感情をコントロールする訓練をし、

ラグビーが、元々自制心を養うスポーツといわれ、

選手も、普段は穏やかな人が多いと言われるのも、

その様なところに所以していると言っても、過言ではないと申せます。

汗と汗が混じり合戦い、試合が終了すれば、

「ノーサイド!!」で、お互いの健闘を称え合う、

これこそ観ている私達を感動させる源になっていると存じます。

  

大型台風の来襲、天皇陛下の即位、ラグビー2019W杯と、

10月の日本は、歓喜、歓声、失望の声が聞かれました。

私は総括すると、先月に引き続き、ため息の多かった月でしょうか。

カレンダーも、残すところなんと2枚。

今年も日々を生ききったと、我に頷けますよう、

精進を重ねてまいりたきものと存じます。

自然界は、厳しくまた優しく、今日も生かされ深い感謝!!

 

地元、天台宗西連寺のご住職の奥様から、

毎年暮れになりますと頂きます荒 了寛師カレンダー、

天台宗ハワイ別院の住職で、長くハワイに住まわれ、

ハワイおよびアメリカ本土で布教活動に従事、

その傍ら、ハワイ学院日本語学校、ハワイ美術院などを設立、

日本文化の紹介や普及に努められましたが、

今年の1月に亡くなられたとお聞きしました。

10歳で仏門に入り、

今東光さん(当時 中尊寺貫主)に説得され、

ハワイへ行ったは良いが、天台宗は後発で、

40年間は苦労と貧乏の連続だったと・・・。

子供の給食費さえ払えなく、何とかお寺に人を集めなくてはと、

日替わりで習字や日本画、生け花などの教室を開き、

今東光さんの弟子にあたる、瀬戸内寂聴尼が随分、

心配して何度もハワイを訪ねたとあった。

来年のカレンダーはどうなるのかわかりませんが、

今まで沢山の心に響く言葉を頂き、

ありがとうございました。