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吉夢通信

吉夢通信

神無月によせて・・・。

2018年10月26日
posted by 吉夢 女将

実りの秋、収穫の秋、スポーツの秋・・・、

〇〇の秋に皆さまは、何の言葉を入れられますでしょうか。

私はやはり、一にも二にも、食欲の秋・味覚の秋が、頭に浮んでしまいます。

   

紅葉の便りを耳にする季節となり、

先日は、北海道の支笏湖、札幌へ行く機会がありまして、

初めて余市へも足を延ばし、

ニッカウイスキーの工場見学の機会を頂きました。

  

”日本のウイスキーの父”と呼ばれる創業者の竹鶴政孝氏。

自身のウイスキーづくりの理想郷を求め、

スコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、

豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろい、

モルトウイスキーの原料の大麦や、

スモーキーなフレーバーを加える為のビート(草炭)が、

豊富であることも好条件で、様々な候補地の中から、

たどり着いた場所が、余市だったそうです。

  

当時の余市は民家もほとんど無く、

雑草と土塊に覆われた湿原が続く寂しい場所、

しかし、氏にはこの海風が吹く原野こそウイスキーづくりに、

理想的な場所であると見抜いたとありました。

   

昨日、お昼の団体のお客さまをご案内しておりましたら、

小さい頃、父に連れられて良く吉田屋旅館さんに泊まりに来たと、

昔、先代の父が苦肉の策でつくりました、若潮クラブの会員証をお見せ下さり、

また夕方には、ご夫妻でお見えの奥様から、

やはり吉田屋旅館の頃、泊まり、

今回はご主人とお越し下さったとの事、

そんな事を、1日のうちに二度も聞かされることは、

ほとんど無いのですが・・・。

  

そうです昨日は、父の50回忌の祥月命日の日で、

私共には忘れてはならない日でございました。

朝、ご宝前にお酒と作りました煮物を添え、

日々の感謝を申し上げて、出勤したところの出来事で、

常日頃、心に留めている先人の苦労のお陰さまを、

思い知らされる1日でございました。

  

ここ数日、高く澄みきった空に、

久しぶりに秋の清々しさをおぼえる数日、

夕陽も見事なまでにオレンジ色に海面を染め、

山に隠れてまいります。

日没も随分と早くなり、カレンダーも薄くなり後数枚、

様々な先人の残した偉業に敬意を表し、今日も生かされ深い感謝!!

  

余市の工場は、最後にウイスキーの試飲を、

グラスで3杯いただけます。

水、氷や炭酸、全て無料で楽しめるのです。

  

「入場も無料で、こんな良い思いをさせて頂けて、

お商売になるのかしら?」ほろ酔い加減の私が、つい口から出てしまった言葉に、

連れてきて下さった方が、

「吉田さんのように、何本もそのように買ってくれる人がいるから、

商売になるんですよ!」と、おっしゃり、

ここぞとばかりに買い込んだ大きな袋を眺めながら、

私も納得した訳でございました。

 

今夜は、いつもの芋焼酎から、シングルモルト余市と行きましょうか。

あ~!!肝臓の数値よ!!いかに・・・。